VAIO Tap 11 購入レポート
先週、SONY 製タブレット PC である VAIO Tap 11 を買っちゃいました。
VAIO を購入するのは実に 13 年振りです (Windows マシンを購入するのも 11 年振りくらい) 。
1 週間使ってみての感想とかをまとめてみました。
購入のきっかけ
今家にある情報端末は次のような感じです。
- MacBook Pro 15 インチ (2010 年モデル)
- iPad 4th gen
- iPhone5c
はい、Apple 製品ばっかりです。母艦の PC が MBP なのですが、デスクトップ代わりに購入したので、持ち運びにはちょっと辛いです。
外に PC を持ち運ぶ際には仕方なくこれを外に持ち出すのですが、会社で支給された MBA の携帯性を体験すると辛くなってしまいました。
iPad を使うという手もあるのですが、これはよく言われているようにコンテンツの消化には最高なのですが、これで何かを書いたり作ったりするのはちょっと厳しいです。
外付けキーボードを付けても、キーの入力に本体の処理速度が追い付かないなど、やはり PC の使用感にはほど遠いものでした。第一、iPad ではプログラミングができない!
そこで登場した Windows8。PC とタブレットの融合を狙ったあのインターフェースなら、もしかして MBA と iPad の役割をこれ 1 台で満たすことができるのではないか?の期待を持ったわけです。
次のような条件を満たすマシンが出たら買いたいな、と思ったのですが、Windows8 リリース直後では中々これに適合するデバイスが出てきませんでした。
- タブレットとキーボードが分離可能であること。
- タブレット部が軽量であること。
- 最低限 1kg は切っていて欲しい。
- WindowsRT ではなく Windows8 であること。
- これまでの Windows アプリケーションが動かせないなんてあり得ない!
- というか RT だったら開発できない。
- 解像度はフル HD 以上。
最近になってようやくこの条件を満たせそうなマシンが出てくるようになり、最終的に Surface Pro 2 とこの VAIO Tap 11 が候補に残りました。
そうこうしているうちに Surface Pro 2 は生産が追い付かなくなって受注停止、一方 VAIO の方は値引きキャンペーンを開始したので、やや衝動的にぽちってしまいましたw *1
次のようなスペックで購入しました。
外観
外観はこんな感じです。ディスプレイサイズが 11 インチなので、タブレットとしてはやはり大きく感じます。手にした重さについては大きさの割に軽く感じられます。
背面はこんな感じ。白は高級感があっていいです。スタンドは Surface と違い、角度が無段階になっています。
タブレット本体は薄いのですが、ファンはあります。この辺は PC っぽさがあります。
付属のキーボードです。Surface と違い、完全に分離しており、無線で本体につながります。非常にしっかりしたキーボードです。ただ、トラックパッドが...。
キーボードはこのように本体にふたとしてぺたっと貼り付けられます。というか、キーボードはこのようにして本体に装着しないと充電できません。
下に見えているのはスタイラスで、これもしっかりした作りで使い易いです (電池が必要ですが) 。
使ってみた感想
ハードウェア面
ディスプレイはとてもクリアです。ここはさすが SONY と言ったところ。
解像度はフル HD (1920 * 1080) 。200ppi 弱になり、さすがに Retina Mac には少し及びませんが、文字はとてもくっきりです。ある程度目を近づけないとドットが目立ちません。
11 インチでこの高解像度であるため、そのままでは全てが小さく表示されてしまうので、デフォルトで 125% の DPI スケーリング (120dpi) に設定されていました。 *2
ただ、このスケーリングでも字が小さいと感じる人がいそうだと思いました。人によってはもう一段階スケールを上げた方が良いかもしれません。
先述したようにキーボードの打ち味はとても良いです。下手なノート PC よりよっぽど良かったりします。分離式なので好きな場所にキーボードを置けるというのもいいです。
ただ、トラックパッドの操作性がひどい。 カーソルが思ったように動かないし、かと思うとタイピングしている最中に手のひらが触れてしまったら反応して事故が起きたり...。
トラックパッドを殺すことのできるハードスイッチがあったので、タイピングしているときはこのスイッチを入れるようにした方が良さそうです。
別途マウスを調達した方がいいかなあと思いました。特にデスクトップモードで作業しているときはタッチだけでマウスの代用をすることは不可能なので。
タブレットとしての使い勝手ですが、タッチパネルは iPad と比べるとちょっと精度が落ちるかなあと感じるところがありました。たまにタッチしても反応しなかったりすることが。やはり Apple はこの辺りをとても良くチューニングしています。
とは言え、Windows8 自体の操作性がとてもいいので、基本的にタッチパネルでの操作感は良好です。
大きさの割には軽い (780g) ため、持ち運びやすい点もグッドです。
ただ、横持ちで使っているときはいいのですが、アスペクト比が 16:9 であるため、縦持ちにするととても細長くなって、ちょっと気持ち悪いです。
Web や横書きの文書を閲覧するときは縦持ちの方がいいのですが、これではちょっと違和感が大きいですね。タブレットとして使うのならば iPad のアスペクト比が一番丁度良いと思います。
ソフトウェア面
最初に面食らったのが、インストールされている OS が 8.1 ではなく、無印の Windows8 だった点です。
そのためいきなり OS のインストール作業をする羽目に...。
Windows8 ではデスクトップモードの操作性にかなり問題がありましたが、8.1 で大分マシになりましたね。
色々言われている Windows8 ですが、タブレットとして使った場合の操作性は素晴らしいです。
あのスタート画面も、アプリを開くことなくサマリの情報が表示されるので、これはこれで便利です。
Store アプリケーションは操作性の統一が iOS 以上に徹底されています。次の規則を覚えると、どのアプリケーションでもすぐに使い方を覚えられるようになります。
- 上下のエッジスワイプでコンテキストメニューの表示
- 右のエッジスワイプで出てくるチャームメニューで他アプリとの連携
- サマリ/詳細の切り替えにセマンティックズームが使える (ピンチイン、アウトで表示を切り替えられる)
他アプリと連携するコントラクト (Andoroid のインテントに相当) もとても便利です。
問題は、肝心の Windows Store の品揃えが壊滅的なことです。Twitter や Facebook、Flipboard、Evernote といった超メジャーどころはありますが、いずれも iOS や Android 版と比べると機能が少なく、かなりおざなりな感じです。操作感はいいのに...。
そのため、iPad の完全な代替になるかというと、ちょっと厳しいです。
デスクトップモードについては、キーボードが使い易いこともあって、ノート PC として使っても快適に感じます。
ただ、高 DPI スケーリングに対応していないアプリケーションが多いことが分かりました。
ぼやっと拡大されるアプリケーションはまだいいですが、文字が豆粒のようになってしまうのは困りものです。
例を挙げるとデスクトップ版 Evernote や Java を使ったアプリケーションなどです。
NetBeans はデフォルトだとコンソールの文字が豆粒のようになってしまい、とても悲しかったです (タスクバーの大きさに対するコンソールの文字の大きさに着目) 。
そのうち JavaFX で高 DPI に対応するにはどうすればいいか、調べてみるつもりです。
まとめると、タブレットとして使っても、ノート PC として使っても、細かいところで不満点はありますが、基本的に快適です。
iPad と MBA の役割を 1 台で満たすデバイスを手に入れるという野望がどの程度満たされたかというと、次のような理由から 50% くらいかなあという感想です。
- 縦持ちで使いにくい。
- Store アプリが貧弱であるため、タブレットとして使った場合に制約が多い。
- トラックパッドの操作性が良くない。
でも、これなら出先でプログラミングや Office 文書の編集ができるし、しかも Web や SNS のチェックとかはタブレットの操作性で行えるので、今後外へ持ち歩くデバイスは基本的にこれになると思います。
まあ良い買い物したと思っています。 *3